ヤノベケンジ入門 lucky dragon 文字お越し集  02 2018年 作成 
進行:ヤノベさんははオリジナル絵本の製作も、ラッキードラゴンの具体的な造形に取り掛かる前にヤノベさんはオリジナル絵本の製作も始めました。水都大阪2009では、広く一般の人たちが、自分の作品を町中で目にすることになるので。この絵本が作品を理解する手掛かりになればと、考えたのです。

物語の主人公は空想好きで恥ずかしがり屋の少年、マーちゃんです。有る日マーちゃんの住む町に空から大きな黒い太陽が落ちて来ます。マーちゃんが唯一心を通わせている、腹話術人形のトらやんに導かれて、船に乗り黒い太陽に入った、その途端、船は一匹のドラゴンに変身。マーチャンとトらやんはドラゴンに乗って空を駆け巡ります。

ヤノベ:想像しうることは実際、現実化する可能性があるんだよというのと、子供に伝える物語であるんですけど、それが実際、いわば昔の僕が想像した不思議な世界が今現実に大阪の町に実現しようとしているということが、重ね合わさっせたりとか。






進行:この日京都造形芸術大学のウルトラファクトリーでは、巨大なドラゴンの頭の形が出来上がりつつありました。発砲スチロールから削り出した原型にこの後プラスチック樹脂を塗って強度を高め、その上からアルミを貼っていくというのが基本的な作業工程です。

ヤノベ:こういう巨大な作品はともすれば形が崩れてしまいガチなんですけど、大きくっても造形的に、美的感覚を呼び覚ますような、作り方をしないと、魅力的な物にはならない。自分から そうですね、巨人になった気持ちで巨大な手と目で物を作っていくという姿勢で取り組まないと。ついこう細部へ入ってしまうと、全体のバランスが崩れてしまうので。

進行:大阪の町中を自由に泳ぎ回って遊ぶ、巨大なドラゴン。ありったけのイマジネーションを膨らませながら、作業は続きます。





ヤノベ:おー おー。出来てますねー。
進行:大阪市内にある、金属加工専門の町工場で、ヤノベさんが依頼していたドラゴンの口の部分の骨組みが出来上がっていました。予算と時間に限りがある中こうして、商売抜きで協力してくれる人たちの存在が、欠かせません。

やのべ:お 丁度やんはははは。 測ったように
ヤノベ:角度でもどうですかねー

進行:ドラゴンが首を曲げたり、上げ下げしたりする部分の構造は大阪工業大学の協力で実地試験を重ねました。
このプロジェクトに関わっている人はボランティアスタッフなども含めると、ゆうに100人を越えます。物づくりが大好きという人たちをこうしてどんどん巻き込んで作品をスケールアップしていくのが、ヤノベさんのスタイルです。

ヤノベ:もう想像できるんですね。これ、水都始まった時にどういう印象を人に与える事が出来るかというのが、あとは首を付けてこれが泳ぎだしたら、物凄いエネルギーを発揮すると。

進行:大阪で天神祭りが行われている頃、京都のウルトラファクトリーでは、ラッキードラゴンの制作がいよいよ佳境に入ってきました。ドラゴンの頭や胴体にアルミから切り出した、鱗を貼っていきます。

ヤノベ:たみや君も巧くなったきたなー どうですか 、リベット災難やなー。
たみや:ここなんですけど、

進行:プロジェクトに参加した学生の個性を伸ばしながら、一つのチームにまとめて行くのも、ヤノベさんの腕の見せ所です。
ヤノベ:ここは硬いかな、ちょっと大変やな。 え、悔しいな。悔しいけど、頑張ってな。これも 以外できへん。この時点で。
 だから、もうこの辺に打ってもええねんけど、打ったらうったで、ばーん撥ねんように気を付けるだけやな。はい

女性:背びれの部分と牙の部分、

男:ヤノベさんからはどんな指示が、
女性:なんか毎回毎回、もう時間が無いって言われて。なんか焦るけど楽しいです。
男:今日のノルマってどんな感じ。
男:ノルマですか、ノルマとかは今ほとんど無いと思う、行けるところまで行ってくれという感じなんで。ノルマというのは無い。出来たらすぐ次、やろうやろうで









進行:
水都大阪2009の開幕にさきがけて、大阪市役所の玄関ホールで、ジャイアントトらやんの設営が始まりました。建物のスプリンクラーが熱を感知して作動してしまう恐れがあるのため、今回は残念ながら、火を噴かせることはできません。
ラッキードラゴンの制作方はスタッフと学生に任せてヤノベさん自ら設営作業に当たります。

ヤノベ:驚きを持ってね、迎え入れてくれて欲しいところですね。何か唐突な日常空間に非日常が、異物が紛れ込んだようなインパクトを受けてもらえば一番。水都のイベントだから、っていうわけじゃない、突然何か町中にロボットが鎮座してるみたいな。

市役所人;なんかでかい物があるなーと思って驚いて、本当に驚き、それだけですね。
女性;凄いですねー。可愛いです。アートムですか。のちょっと変わったような感じかな。
女性;いつも無いものがあると楽しい、なんかロボトだしね 楽しい。
男:みなさん見ている人どうですか
受付嬢:たくさんはい。見られてます。











進行:ジャイアントトらやん以外にも、ヤノベさんがこれまで作った作品がイベントのメイン会場となる中之島公園周辺に運び込まれました。
 ドラゴンの頭や胴体に銀色の鱗をほぼ貼り終え、ファクトリー内には少しほっとした雰囲気が出てきました。出来上がったドラゴンのパーツは船への取り付けのため、次々とファクトリーから運びだされて行きました。
 大阪市内にある造船所の跡地で船への取り付けが始まりました。クレーンでドラゴンの胴体を吊り上げている最中もヤノベさんは船の上で溶接の仕上げ作業をしています。
この日は火を噴くテストも行われ、その迫力にヤノベさんも満足そうです

ヤノベ:えーやん!

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ヤノベケンジ ラッキードラゴンの伝説 2009 2/5